セントアンナの奇跡 / MIRACLE AT ST. ANNA
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スパイク・リーの映画では音楽も最高!な「モ・ベター・ブルース」が好き。
その後の作品もけっこう観てるんだけど、どうもここ数年のはわたしには合わなくて。
(いや今また見直せば昔観たのはまた違う感想になるかな?)
これまでもアメリカ社会における黒人の姿を描いてきたスパイク・リー。
今度はどうかな?と思いながらも、2時間半超えの上映時間に正直心配だった。
おまけに渋谷にあるこじんまりしたここの試写室は椅子はふかふかでやたら座り心地いいから
もし退屈だったら寝ちゃったりして...なんて思いもよぎったけど
長かったのにそんな椅子のおかげでお尻も痛くならずに入り込んでみることができました〜。
公開は今月、25日から。
はじめは戦場で起きた、少年との心のふれあいを描いた感動作なのかな?って想像してたらそれとはちょっと違ってた。
この映画も最近多い実話がもととなっている。どこからどこまでが本当なのか。
実在の事件を織り交ぜながら話は展開する。
原作と脚本は、ジェームズ・マクブライドの「MIRACLE AT ST. ANNA」
渡り廊下のフッターを行う方法N.Yの郵便局で働く定年間近の局員が、ある日窓口で切手を買いに来た男性客をいきなり銃殺した。
男の名はヘクター。前科や借金などもなく、精神状態も良好の実直な男だった。
家宅捜査の結果、彼の部屋から長く行方不明となっていたイタリアの貴重な彫像が発見された。
一向に犯行動機を口にしないヘクターだが、やがて重い口を開く。
謎を解く鍵は第2次世界大戦真っ只中の1944年、イタリアのトスカーナにあった。
N.Y 現代 郵便局殺人事件
フィレンツェ 1944年 行方不明の女神像
そしてそれらは、謎の少年で繋がる...
少年を見捨てない心優しい"チョコレートの巨人"トレイン兵士に
「ラッキー・ユー」などのオマー・ベンソン・ミラー。
アンジェロ少年には新人のマッテオ・シャボルディ。
女好きビショップ軍曹には「7つの贈り物」のマイケル・イーリー。
志願兵、スタンプ軍曹に「大いなる陰謀」のデレク・ルーク。
しかしあんな奇跡(偶然)ってほんとにあるのか?
とは思いつつ、なかなか良かった
前半の戦場で歩きながら喋ったりしてるシーンは、こここんなに長ーく映すのが必要なのかなーなんて思えるほど
ダラダラしてるように感じて、うーん、やっぱりこのままいくと今回もダメ?
なんて思ったりもしたんだけど
なぜ前科のない普通の郵便局員は、突然発砲をしたか?
なぜそんな高価な美術品を持っていたのか?
という真実に至るまでが気になり 次第に自然に引き込まれていった。
戦争シーンや倒れる人々らの描写がもの凄くリアル。
セントアンナの大虐殺や、サンタ・トリニータ橋の爆破など
実在の事件を絡めて見せるのでかなり見ごたえもある。
加えて、少年の正体(行方)もあって最後まで見逃せない。
後半が特に面白かった。
相変わらず、当時の黒人に対する差別的扱いを訴えるシーンもありつつ、
黒人白人の対立問題を描いただけではないスパイク・リー監督の新しい意気込みも感じる。
冒頭の事件から、なぜ犯行に至った経緯を、戦時中の出来事を中心に描いていて
基本的には戦争映画だけど、
グロかったりエグかったりするだけじゃない。
感動!っていうのともちょっと違う
ラストにはなんとも言えない爽快感が残る、、、、、
そんな映画でした
長さを感じさせないとは言わないけど、観ごたえある作品です
うん、 観てよかった☆
あ、そうそう。ちょっと楽しみだったジョン・タトゥーロの出演はちょこっと。
そのかわり?ジョン・レグイザモもちょこっと登場。のWジョン出演
今作が長くなっているのはさらに、村の中に潜伏しながら敵と戦うパルチザン闘争、
ヒトラー率いるドイツ軍をイタリアに進駐させ、武器を構えて村民を取り囲むドイツ兵たち、、、
そしてイタリアのファシズム体制への武力による活動を行う組織、パルチザンが入り乱れる内戦も描かれるから。
セントアンナの大虐殺は1944年8月12日イタリアトスカーナのサンタナでxディスタッツェーマ市を
反ナチパルチザンの掃討作戦をしていたドイツ軍300名が襲撃、
市民560人を皆殺しに。。。。その多くが女性、子供、老人だったという。
事件から60周年の記念式典ではドイツ側は謝罪コメントを発表、
のち、2007年 軍事法廷でドイツ側と責任者3名に終身刑が言い渡された。
そんな背景も、この作品を通して知るきっかけになった。
長かった印象があるけどスパイク・リーの「マルコムX」また観たくなったな。
公式サイト
MIRACLE AT ST. ANNA 2008年 アメリカ=イタリア 163min
7月25日より、ロードショー
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